半地下備忘録

たつさんの日記的ななにか。

観察を練習しよう。そして世界に溢れている面白さに気づいていこう『観察の練習』

毎日仕事してご飯食べて寝るの繰り返しで、面白いことがないなぁ…と日々思っているところなんだけど、嘆いていても何かが変わるわけじゃない。むしろ何も考えずに生活してる自分が悪いんじゃなかろうかということで、何か気付きを得られるようになることを期待して『観察の練習』手にとってみた。

この本は開くと左ページに写真があって、次の見開きでその写真に対して著者が気付いた小さな違和感について書かれている。できるだけ自分でも一瞬考えてみてからページをめくるようにしてみると、著者と同じことを思いつくこともあれば、まーったく何も思いつかなくて、脳みそが凝り固まっていること再認識させられて震えたり。


全体を通して、読み終わると本文よりもあとがきが一番印象に残った。

実際に観察を始めてみると、自然の秩序や市井の人々が生み出したささやかな工夫、多くの人たちによって積み重ねられた行為の痕跡など、この世界は面白いものに溢れていた。しかし、こういった面白いものは突然目の前に現れたのではなく、私が気づく前からもともとこの世界に存在していたのだ。観察をするたびに、自分はこんなに面白いものをこれまでずっと見過ごしてきたのかと反省を繰り返している。


著者は読者にもこの本を読むだけではなく、観察を始めてほしいと考えている。最初から気の利いたものを見つけられなかったとしても、観察を始めなければ頭にのこらないものばかり。とにかく始めるだけで、少なくとも一つは、これまでの自分が見落としていた新しいことに気づくことができるし、練習すればもっとできるようになる――というわけで、日常に面白いことがないなーとぼやくだけじゃなくて、いろんなものを観察してみようという意識付けにはなった。

物足りない点をあげるとすれば、本のタイトルからモノや場面を見るときの視点とか見方とか、こうすると良いというポイントが書かれているのかと思ったのだけど、筆者が気になったことなどが素直に書かれていて、もう少し解説が欲しかったかなと。

さあ観察を練習しよう。そして世界に溢れている面白さに気づいていこう。それさえできれば、きっと前よりも少しだけ、生きることが楽しくなるはずだ。

観察の練習

観察の練習