半地下備忘録

たつさんの日記的ななにか。

『予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』

予想どおりに不合理  行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」

予想どおりに不合理  行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」

行動経済学というのが流行っているらしいので、ちょっとどんなもんかと手に取ってみた。行動経済学のジャンルでベストセラーになっているほどメジャーな1冊らしい。

行動経済学とはなんぞやといった本ではなく、実験とその結果がメインになっていて読み物として面白い。自分の場合はちょっと興味が強くなったけれど、教科書的なものを求めている人には合わないと思う。

普通に生活しているとなんとなく分かってくる人間は合理的じゃないよねというのが実験で明らかにされる。結果はほんのタイトルにもなっているように、予想どおりに不合理。

人は相対的に選ぶ

わたしたちはものごとをなんでも比べたがるが、それだけではなく、比べやすいものだけを一生懸命比べて、比べにくいものは無視する傾向がある

25ドルの万年筆が15分行った別の店で18ドルで、455ドルのスーツが15分行った別の店で448ドルで買えるとき、前者の場合は行くと答え、後者の場合は行かないと答える。
7ドルの価値は変わらないのに、万年筆の場合は相対的な割安感が大きいので、7ドル節約すべきと感じる。

合理的に選択できていればどちらも行く(またはどちらも行かない)はずなんだけど、これは誰でもあると思う。

無料の力

15セントのトリュフと1セントのチョコを並べると、73%がトリュフを選ぶ。でも、トリュフを14セント、チョコを無料で提供すると、69%がチョコを選んだ。どちらも1セント安くなっただけなのに、無料には人を惹き付ける力がある。無料の魅力は目に見えて何かを失うことがないところで、本の中では「無料の感動に打ち勝てるものは何もない」とまで。

こういうのも、わかるわかるーってなりながら読み進められるところが良い。予想できるってことは不合理な性質を利用できるということだし、行動経済学って学問になっているのも納得。

紹介したのはほんの一部なので、目次を見てちょっとおもしろそうかも? と思ったら手にとってほしい。

目次

はじめに
一度のけががいかにわたしを不合理へと導き、ここで紹介する研究へといざなったか
1章 相対性の真相
 なぜあらゆるものは――そうであってはならないものまで――相対的なのか
2章 需要と供給の誤謬
 なぜ真珠の値段は――そしてあらゆるものの値段は――定まっていないのか
3章 ゼロコストのコスト
 なぜ何も払わないのに払いすぎになるのか
4章 社会規範のコスト
 なぜ楽しみでやっていたことが、報酬をもらったとたん楽しくなくなるのか
5章 性的興奮の影響
 なぜ情熱は私たちが思っている以上に熱いのか
6章 先延ばしの問題と自制心
 なぜ自分のしたいことを自分にさせることができないのか
7章 高価な所有意識
 なぜ自分の持っているものを過大評価するのか
8章 扉をあけておく
 なぜ選択の自由のせいで本来の目的からそれてしまうのか
9章 予測の効果
 なぜ心は予測したとおりのものを手に入れるのか
10章 価格の力
 なぜ一セントのアスピリンにできないことが五〇セントのアスピリンならできるのか
11章 私たちの品性について その1
 なぜわたしたちは不正直なのか、そして、それについてなにができるか
12章 私たちの品性について その2
 なぜ現金を扱うときのほうが正直になるのか
13章 ビールと無料のランチ
 行動経済学とは何か、そして、無料のランチはどこにあるのか

予想どおりに不合理  行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」

予想どおりに不合理  行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」