半地下備忘録

たつさんの日記的ななにか。

オードリー若林正恭『完全版社会人大学人見知り学部卒業見込』

オードリー若林さんが雑誌「ダ・ヴィンチ」に連載していたエッセイをまとめた本の文庫版を読んだ。単行本未収録分を大幅に追加しているので「完全版」ってなってるらしい。

テレビのイメージそのままだけど、若林さんが書くエッセイなので、自意識過剰や人間関係不得意や女の子苦手やコンプレックスなどがテーマになっていることが多いんだけど、数年にわたって続いたエッセイなので、最初の方と最後のほうで考え方が変わってきているのが面白い。中二病からちょっとだけ卒業した感じ、といえば伝わるかな。

あと、スタバとかでコーヒーを頼む時に「トール」と言うのがなんか恥ずかしい。「グランデ」なんて絶対言えないから頼んだことがない。S、M、Lなら言える。その前にスタバに行くこと自体が恥ずかしい。ぼくは「スタバ」で「キャラメルフラペチーノ」の「グランデ」を飲んでいるところに知り合いが来たら窓を破って逃げる。

連載初期のころはこんな感じだったのが、文庫本で追記された部分では「何言ってるんだ誰もお前のことなんて気にしてない」に変わってたりする。

普通の人が大学進学や就職をきっかけに社会に慣れていくような部分が、若林さんの場合はブレイクをきっかけにやってきた。仕事中の本心ではないコメントなどで、自分を偽っていると思い悩んでいた部分が、場所や相手によって分けられた一つ一つの自分を「分人(ディブ)」という考え方で受け入れられるようになっていくなど、ちょーっとずつ大人になっていく感じが面白い。


またしばらくしたら読み返したいなーって思えたし、人にもおすすめできるくらい面白かった。特に自意識過剰気味の人とか、中二病の自覚がある人にはおすすめ。

完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込 (角川文庫)

完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込 (角川文庫)