半地下備忘録

たつさんの日記的ななにか。

『マッチ箱の脳(AI)―使える人工知能のお話』

マッチ箱の脳(AI)―使える人工知能のお話

マッチ箱の脳(AI)―使える人工知能のお話

2000年に発売された本なのでやや情報の古い部分はあるものの、AIについて数式を使わずに、分かりやすく伝えようという趣旨の本。著者は『アストロノーカ』『がんばれ森川君2号』を開発した方で、AIをつくるときに使ったアルゴリズムが紹介されている。全体的にイラストがふんだんに盛り込まれているので、親しみやすい感じ。

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(GAの説明図)

アストロノーカのバブーには遺伝的アルゴリズム(GA)、がんばれ森川君2号にはニューラルネットワーク(NN)が使われているだけあって、この2つの紹介にかなりページ数が割かれていて、ふむふむと思っていたけど、読み進めるとダレてくる。

読み終えてみると、文系向けのAI解説というよりは、研究室に配属されたばかりの大学生にこんなアルゴリズムがあるという紹介って感じ。ただしアルゴリズムの紹介としては不足の部分があったり(分かりやすさ重視で削ったんだと思う)、書籍自体が古いので、最近のAIの進化に大きく貢献したディープラーニングなどは出てこないところは注意が必要かな。


あと、この本ではルールや選択が変化していく=AIと読み取れるけど、バブーや森川君のAIとドラえもんやターミネーターのAIは分類的には異なるものらしくて、その点についても書かれていない。そのあたりに興味のある人は人工知能は Deep Learning によって成されるのか? - Sideswipeをどうぞ。この記事の著者は最近本も出したみたいなので気になる方はこちらも。

コンピューターで「脳」がつくれるか

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