著者の森博嗣のつぶやきを100個集めて、それを自ら解説しているようなエッセイ集。1つのつぶやきと解説を合わせて、ちょうど文庫本の見開きに収まるようになっていて、通勤中にちょっとずつ読むのに調度良い感じ。見開きのはじめにまず短文があって、残りの部分はその解説文になっている。
ドラマやアニメにもなった『すべてがFになる (講談社文庫)』を読んだ人は知ってるだろうけど、森博嗣は非常に理系っぽいというか、理屈っぽいというか…。エッセイなのでワクワクする感じでもないので、理屈っぽい考え方は苦手という人には合わなそう。
理屈っぽいなーと感じたところをちょこっと紹介すると…。
僕は反省をしたことがない。
そんな暇があったら対策を練る。
発展的な思考としては、以後の再発を防止するためには、どうすれば良いか、という方向だろう。もちろん、原因がはっきりしていないと対策は考えにくいが、「危うきに近づかず」という手も打てるので、無理に原因を決めつけるよりも、もっと根本的な方策を講じる方が良い場合も多い。
誰かがミスをしても、その人聞を感情的に叱るのではなく、やはり対策を打つことの方が優先されるべきで、この姿勢は他者ではなく自分に対しても同じだ。駄目だ、馬鹿だった、と猛省してもしかたがない、次の手を考える方がさきである。
理屈っぽい森博嗣の考え方が綴られているけど、たまに出てくる森博嗣の人間味あふれる部分にはくすっとさせられる。
これはこれで気づきのある本だと思うし、変な自己啓発本よりは面白いので、おすすめですー。
つぶやきのクリーム The cream of the notes (講談社文庫)
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/09/14
- メディア: 文庫
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (12件) を見る