半地下備忘録

たつさんの日記的ななにか。

石田衣良『明日のマーチ』を読んだ感想など

あんまりおもしろくなかったけど、一応読んだから書いておきますかね…。



解雇。それは張り紙一枚の出来事だった。ある日突然、僕らは年収200万円の生活からも見捨てられた。どうしよう。どこに行って、何をする?――歩く。それが、僕らの決断だ。クビを切られたカメラ会社がある山形から、東京へ。600キロ。4人で始まった行進は、ネットを通じて拡散し、メディアを賑わし、遂には政府が動き出す。僕らの青春を等身大(ありのまま)に描いた、傑作ロードノベル。

Amazonの内容紹介より引用)

主人公たちの取り上げられ方が急展開すぎて、読者からするとやや置いて行かれるかな。主人公のキャラが薄めなこともあって、感情移入しづらい。

4人のうちのひとりの過去についてもはなかなか厳しい設定だったり、キャラ設定としていろいろ盛り込もうとしすぎたのか、逆に締まらない感じ。個人的には4TEENくらいリアルに居そうな設定のほうがわかりやすくて好き。
あと、ストーリーに金融危機のころの派遣切り問題、犯罪加害者の人権問題など、問題をいろいろ盛り込んではみたものの、綺麗に消化されていない。

石田衣良作品らしく読みやすさはあるけど、全体的に中途半端で感動とかすっきりするまでには至らず。大好きな作家だけにちょっと残念でしたー。


明日のマーチ (新潮文庫)

明日のマーチ (新潮文庫)