- 作者: 石田衣良
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2015/02/06
- メディア: 文庫
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石田衣良のコンカツ?を読みまして。
ここ数年、ぼくの中では石田衣良はかなり低迷しているんだけど、今度こそ面白いのでは…と思って、ついつい買ってしまう。
人はこれを「惰性」と言う。
とりあえず、読んだからには、何かしら書いておこうかなと。
タイトル通り婚活がテーマ
石田衣良の作品といえば、執筆時期の時事ネタをガンガン放り込んでくるのが特徴なんだけど、今回はタイトルのとおり「婚活」がテーマ。それに加えて、草食系男子、熟年離婚、熟年カップル、シェアハウス。あとさらっとだけど、非正規雇用の雇い止めとかセックスの相性とかも。
正直言って時事ネタ詰め込もうとし過ぎだと思う。非正規雇用の同級生の話とか、何のためにあったんだっけ?
アラサー女性4人組
自分お周りにこの本に出てきたような、合コン行きまくり4人組、個別にみても婚活頑張る人、不倫からの妊娠してシングルマザーを選ぶ人、変わった男の趣味といった人がいないせいか現実味がないというか。
あと、ちょっとこの年代の女性が小馬鹿にされてる…?という感じも否めませんでした。知り合いに登場人物のような人がいないから笑って過ごせるけど、本当にこんな人が読んだら嫌な気持ちにならないのかなーと。正直この主人公とかみたいな自立して、見た目もちゃんとしてる(と本書には書かれている)女性はアラサーまで結婚してないというのはたぶん稀だろう。
さくさく読める
なんでかなーと思ってたんだけど、漢字が少なくてひらがなが多い。ちょっとひらがな多すぎません?
読み終えて
最近の石田衣良作品にしては全体的に勢いはまずまずあったように感じたんだけど、でもよく考えると…???ってなるかな。
友達にすすめるか?って聞かれたら別にすすめないかなーって程度でした。
石田衣良大好きだけど、やっぱり以前ほど好みの本書かなくなったなーってのがちょっぴり悲しいね。全体的にいまいちだとしても、その中で好きな1文とかってのはあるもんで、最後にいいなと思ったところをいくつか紹介しておきますかね。
どんな経済状況だろうと格差があろうと、生きいきと楽しく生きているほうが勝ちなのだ。(p.39)
だいたい恋愛というのは、スポーツに似ている。一度トレーニングを休んでしまうと、なかなか心も身体もアスリートモードにならないのだ。身体はたるむし、心は怠け者になる。遠ざかれば遠ざかるほど壁が高くなるのが恋愛だった。(p.146)
いつまでも不幸なことばかり抱えてはいられなかった。自分なりの幸せの形を探すのは、すべての人に与えられた大切な仕事だった。(p.236)
- 作者: 石田衣良
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- 発売日: 2015/02/06
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