半地下備忘録

たつさんの日記的ななにか。

石田衣良『スイングアウトブラザーズ』読んだ感想など

今週のお題「最近おもしろかった本」

最近読んで面白かった本を紹介するよー。

スイングアウト・ブラザース (光文社文庫 い 53-1)

スイングアウト・ブラザース (光文社文庫 い 53-1)

ほぼ同時に彼女に振られた、冴えない30過ぎの男性3人が大学時代のマドンナ的存在の先輩から男性向けのモテ講座の1期生として迎えられ、成長(?)していく話。話としての目新しさよりも、このモテ講座の中身が良いと思ったので、ちょっと紹介させてもらいますよ。

モテるための大事なポイント

結婚して、娘も生まれた身としてはそこまで必死にモテたいわけではないんだけれど、モテない男性よりも、モテる(モテそう)な男性の方がいいじゃないです今週のお題「最近おもしろかった本」か。ぼくだってモテそうとか思われたいわけだよ。

  • 教養が身につきそうな本を継続的に読む
  • 洋服はサイズのあったものを選ぶ
  • 相手の話を聞く(聞き出す)

列挙するほどのことでも…という感じはするけど、改めてきちんと実践していかねばならんね。そして、小説のすばらしいのは、こういうことに楽しみにながら気付くことができるってところ。もし、同じ内容を自己啓発本で見たとしても全員響かなかっただろう。

気に入ったフレーズなど

「でも、自分のストライクゾーンを広げて、ちゃんと女の人を見れば、なかにはいい感じの相手がちゃんといるよ。それには自分の自慢をするばかりじゃなく、相手の女性にたくさん話させるようにして。聞き役になってあげるいいと思う。それが、わたしからのアドバイス」

(p.84)

「だからいったでしょう。教養には完成なんてないって。でも、そこに至る方法はある。今日みたいに五千円もって、月に二回書店をのぞく。それを二年三年と続けたら、自然にそれなりに教養のある人になるの。それも今回みたいにすこし背伸びして、女の子に見せて恥ずかしくない、教養が身につきそうな本を、無理して選び続けていければね」

(p.154)

「男性のスーツは制服です。モデルやホストでなければ、無理して目立つ必要はありません。効果である必要もないの。基本になるダークスーツをきちんとサイズをあわせて選ぶ。それが肝です」

(p.178)

「男性がもつべき最大のコミュニケーション力は、いかに女性の話をきくことができるかという能力です」

(p.222)

「これが一番大切な能力です。自分がいいなと思う女性にだけでなく、この能力を磨いて、すべての女性に誠意をもってつかってみてください」
「それは多くの女性が、男の人が容姿や年齢で女性を差別するかどうか、冷静に観察しているからです。相手によっててのひら返しをする男性は、女性から足許を見られていると気づいたほうがいいと思う。無駄に思えるかもしれないけれど、好感度をあげるためには必要なことなんです」

(p.223)



余談

本の内容とは関係ないけど、石田衣良の本はどれもさらっと読める。もちろん書き手のチカラもあるんだけど、全体的に漢字にで書かれていてもおかしくないところでも、あえてひらがなに開いてあるところが多い。ひらがなと漢字の比率でも読みやすさ・軽やかな印象が演出されるんだと気付いた。

逆に、この前ドラマ化された森博嗣の『すべてがFになる』とかは漢字がたっぷり。これはこれでミステリー特有のちょっと重い・硬い漢字が非常に出てる。文章を書く人のテクニック的なものだと思うけど、こういう工夫ってちょっと面白い。

スイングアウト・ブラザース (光文社文庫 い 53-1)

スイングアウト・ブラザース (光文社文庫 い 53-1)

石田衣良のほかの本も読んでます

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